のらみゃんとひろのそうさくこうぼう

●EVは、エコになれるか2015年05月06日 22:20



今や自動車は、楽しさや性能よりも
経済性の良さ、使い勝手の良さ、
環境への配慮が
優先される時代になりました。

そして、その究極の形は
EVだ!と思っている方、
多いんじゃないかと思います。

EVは、「Electric Vehicle」。

電気自動車です。

…あ、これはラジコンですけど。

現在は、バッテリーの性能の問題で
航続距離が短かったり、
これまたバッテリーの問題で、
重量がかさんでしまったり。

でも、そんな問題が
この先、解決されれば。

自宅で気軽に安く充電できて
荷物も積めて、どこへでも行ける。
その上、排気ガスを一切出さない
理想の車になるんだ!

…と。


でも多分これ、実現不可能です。

いや、バッテリー性能の
技術革新うんぬん以前に
おそらく、日本では解決が難しい
問題が、突然浮上したから。


そもそもEVって、
環境には、全然良くないんですよ。

もちろん自分では、一切
排気ガス、出さないですよ?

でも、電気を作る過程で
出してるでしょう?
火力発電所が。

現在、日本全体の電力供給、
火力発電所の依存率
88%前後、です。

ほぼ9割が、火力発電です。

事前に火力発電所で
排気ガス出させておきながら、
自分の車からは出てないから
エコです!

…じゃあ、理屈が通らない。

さらに、電気って
電線を通して、各家庭まで
送る間に、電力損失が起こります。

発電所から変電所への
道のりで。

変電の工程で。

変電所から各家庭への
道のりで。

発電された電力は
どんどん減っていくんです。


そして、そんな電気を
車に充電したらしたで。

乗らなくても、放電するでしょう?

バッテリーって、使ってなくても
どんどん消耗していきます。
携帯電話やスマホなども、
そうですよね。

ガソリンで動く車なら、
一年くらいであれば、ガソリン
入れっぱなしでも、問題なく
燃料として、機能します。
わたし、図らずとも試しました…。

そして、使っただけ減っていく。

放置したら減る、なんてこと
ないんです。

火力発電所で、排気ガス出して
発電させておきながら、知らぬ間に
放電させちゃう、なんて酷い話です。


でも、現時点での電気自動車って、
残念ながら、そういう乗り物なんです。

エコじゃない、どころか
環境に悪いんじゃないの?
…とさえ思えてしまう。

 じゃあなんで、電気自動車なんて
 作ったの?

というと。

実はこの、環境に関する問題を
全て解決できる秘策があったからなんです。


原発です。


原子力発電って、大気中に
有毒な排気ガス、一切出さないんです。

そして、放っておけば発電する。
それこそ、燃料が尽きるまで勝手に。

発電を停める事の方が、難しいくらい。
(…というのは、皆さんもご存知だと思います。)


火力発電から原発への依存率を
増やしていけば、クリーンなエネルギーを
大量に作り続けることができる。

電気料金だって安くなるし、
電力損失やら、バッテリーの性能やら、
そんな小さなことは、気にならなくなる!

…というビジョンがあったんです。

だから、それならば将来を見据えて、
誰でも簡単に、安く手に入れられる
電気エネルギーで動く車を作ろう!と
EVが研究され始めたわけです。


でも。

状況は、一変しました。

東日本大震災をきっかけに、
福島第一原発で発生した事故。

クリーンなエネルギーを
作るはずの原発が撒き散らした
大量の汚染物質。

原発、全部停まってしまいました。


これから、どうなるんだろう?

再稼動はするんだろうか?

しないんだろうか?

また元のように、もしくは予定通り
原発への依存度を増やしていくことは
あり得るんだろうか?


…完全に、先行きが不透明になりました。


そして。

EVの運命は、原発と一蓮托生。

栄えるのなら共に手をとって。
だめだったら、心中しかない。


…という状況の中で。

日本メーカーの次世代車のビジョンに
変化が現れました。

まずは、トヨタ。

トヨタといえば、ハイブリッドシステム。
そのハイブリッド車に、コンセントからの
充電機能もつけた、PHVなんていう
車もあります。

さらに、燃料電池車「MIRAI」を、
世界に先駆けて開発・販売しています。

水素を燃料にして、環境保全と
優れた燃費、走行性能を
兼ね備えた車です。

まだ、水素を補給できるスタンドが
少ないため、普及には少し時間が
かかりそうですが、そんなインフラ整備まで
視野に入れて、トヨタは真剣に取り組んでいます。


ホンダも燃料電池車、開発中です。
そろそろ、お目見えするんじゃないかと
思います。


そして三菱は、PHEVという技術を
進化させています。

これは、ガソリンで充電できるEV。
コンセントからも充電できるけど、
ガソリンスタンドでガソリンを入れて、
発電機としてのエンジンで、
発電しながら走行できる。

ある意味、車の中に発電所を
搭載したEV、という言い方もできます。

必要に応じて、必要なだけ
発電できるEV、です。


各自動車メーカーとも、
原発の再稼動が不透明な現状を
見越して、それぞれの舵取りが
済んでいます。

…が。

日産だけは、いただけないなぁ…。

現状では全然エコじゃないEV、
この先も、エコになれない
可能性の方が高いEVを、
次のビジョンを示さないままで
売り続けていますよね。

しかも、環境に良い車だ、と謳って。

あんな売り方、消費者に対して
フェアじゃない。


わたしは、トヨタと三菱の取り組みは
とても優れているなぁ、と思います。

まさしく、未来を感じる次世代の流れを
作ろうとする、トヨタ。

そして、無理なく実現できて
受け入れられやすい形での
最適を考える、三菱。

将来有望な選択肢が
2つあるって、素晴らしいことです。


環境保全や原発の扱い。

EVを普及させるなら、
原発の再稼動は、必須。

原発の再稼動を止めるのなら
EVも白紙に。

もちろん、軌道修正には
それなりに時間がかかると思います。

でも、強い思いを持っている方は特に、
車を購入するときには、
各社の目指すビジョンを、
しっかりと理解した方が
良いと思います。

脱原発派の方が、
EVに乗ってる、なんてのは
目も当てられないですよ…。

コメント

_ 山さん ― 2015年05月08日 23:28

仰る通りですね。
火力発電をする為の燃料ですら、外国から運んでくる。
運んでくるタンカーの燃料、タンカーから排出される排ガス、燃やされ発電する為のお金が日に600億円、更に太陽光発電と言う負の遺産。
太陽光パネルが普及すればするほど、各家庭の電気基本量は上がるし、太陽光パネルの処理の仕方も分からない。

書き出すとエコと着くものは、現状害が有りすぎるんですよね。

福島第一原発は、廃炉が決まっていたのに延命されてあの有り様。
原発事故ではなく、人災と津波による被害なんですよね。

なかなか、理解が広まらないですけど。

_ のら2ゃんれい ― 2015年05月09日 11:32

確かに!
輸送中の排ガスだって、環境に
影響しますよね!

原発については、いろいろな考えがあって
それぞれに、説得力を感じます。
でも、

 原子力は、悪だ!

っていうのは、ちょっと違いますよね…。


考え得る全てのことに手を尽くして、
それでも制御できなかったのであれば、

 人類が扱うには、まだ早すぎる代物だ

と結論づけても、良いと思います。


でも、そうではなかったようですもんね。

やらなくちゃいけないことを
やっていなかったり。

守らなくちゃならないことを
守っていなかったり。

それで起こった事故は、
やっぱり、人災ですよね。

そこをうやむやにして、
「原子力」に責任を押し付けるのは、
あんまりですよ…。

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