のらみゃんとひろのそうさくこうぼう

●マセラッ彫刻制作・72015年11月17日 22:15



今日の、マセラティ・クーペ彫刻制作です。

引き続き、全体のプロポーションを
整えています。

だんだん、良い感じに
なってきましたよ!

どうでしょうか?

優雅な、イタリアのFRクーペ。

この時点でも、類まれな
体躯が見て取れるんじゃないかと
思います。

マセラティ・クーペって、
実は、特殊なメカニズムを持った
FR車なんです。

トランスアクスルを採用しています。

図の「レクサス LFA」と同様の
メカニズムが採用されているんです。

通常のFR車は、前にエンジンが
縦置きされていて、直後に
トランスミッションがついています。

でも、FRトランスアクスルの場合、
エンジンは、前にありますが
トランスミッションは、
リアに搭載されるんです。


…なんで、そんなことを
するのか、というと。

車の部品の中で、
一番重いエンジンと、
二番目に重いトランスミッションを
前後に振り分けることで、
前後重量バランスを整えるため、です。

つまり、運動性能を
向上させるためのメカニズムなんです。

詳しい説明は、こちらから。


マセラティ・クーペも、
もちろん、運動性能の向上を狙って
トランスアクスルを採用したんだと
思います。

ただ、それだけではないような
気もするんです。


運動性能の高い
FR車を作る場合って…

図の、Aの部分。
前輪と、キャビンの間に
パワートレーン(エンジン&トランスミッション)を
押し込むのがセオリーです。

重量物を、タイヤよりも内側に
寄せて搭載すると、
運動性能が向上します。

だから、スポーツFRの
AとBの部分を比べると、
大抵、Aの方が長くなります。


でも、マセラティ・クーペの場合、
見てのとおり、Bの方が長いです。

なぜこうなのか、というと
トランスアクスルだから、です。

通常のFRは、Aの部分に
エンジン&トランスミッションを
入れなくちゃいけない。

でも、マセラティ・クーペの場合は
トランスミッションがリアにあるから
この部分に入れるのは、
エンジンだけ。

その分、Aの長さが短く出来ます。


じゃあBの部分は、どうして
長いの?…というと。

これはおそらく、優雅な外観を
アピールするため、なんだと思います。

前輪よりも前部分が長い車って、
優雅な雰囲気が漂いますね!

ロングノーズ、というヤツです。


実は、運動性能のことだけを考えたら、
Bの部分は、短いほうが良いんです。

前輪車軸よりも前の部分は
オーバーハング、なんて言われるんですが、
この部分が重いと、ハンドルを切ったときに
慣性が作用して、実際の重量よりも
重さを感じてしまう。


もちろん、それを承知の上で…!

トランスアクスルを採用して
悪癖を軽減しつつ、
敢えて、のロングノーズ。

素敵…!

効率だけじゃない車作りが
結実しているわけです。


見据えている場所が、
われわれが普段接している車とは
違うんでしょうね。

でも、日本メーカーは
その場所を目指しちゃいけない
…なんてことは、無いはず!

効率以外を目指す。

そのために、FRトランスアクスルなんていう
凝りに凝ったメカニズムを採用するのは
現代では難しいのかもしれません。

でも。

だからこそ、日本メーカーらしい解法、
期待したいです…!

コメント

_ スナフキン ― 2015年11月18日 00:32

勉強になるなぁ、、、(^_^) ますます楽しみなってますよ〜☆ もうすでに 美しくグラマラスなシルエットが、、、ごくりっ‼︎ 過程をこんなに詳しく、丁寧に、そして何より楽しみながら作って頂けること 大変嬉しく思ってます☆ 今後の進捗も楽しみにしていまーす☆

_ のら2ゃんれい ― 2015年11月18日 09:33

ありがとうございます!

こちらこそ、素晴らしい車を
制作することが出来て、とてもうれしいです!

今までの工程は、制作前の
下準備、的なところだったんですが、
今日から、本格的に造形開始、です。

わたしもさらに、楽しくなってきます…!

_ イカさん(烏賊太郎) ― 2015年11月21日 19:47

思い付きですが、もしかして振動と騒音の発生源を分散させるのも有りなんかなぁと(^_^;)

_ のら2ゃんれい ― 2015年11月22日 11:34

どうやら、トランスアクスル、
騒音と振動面では、不利らしいんです。

というのも、通常のFR車だと
ミッションの後にプロペラシャフトが来るので
プロペラシャフトは、タイヤの回転数に
近い速度で回るんです。

でも、トランスアクスルの場合は、
エンジン直後に、プロペラシャフトが
来るので、エンジン回転とほぼ等速で
回るんだそうです。

8,000rpmで回る棒が、車を縦断してるような
状況になるために、相当な対策が
仕込まれるそうですよ…!

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