のらみゃんとひろのそうさくこうぼう

●三菱の今2015年05月31日 22:15



先日、インターネットのニュースで
三菱自動車の、4月の国内販売台数が
たったの4,213台だった、という
ニュースを目にしました。

三菱自動車の正規ディーラー、
多分、全国に800店舗前後
あるんじゃないかと思います。

1店舗あたり、月に5台か…。

現実には、1台も売れなかった店舗、
たくさんあるんじゃないだろうか…。

海外も含めると、三菱の業績
目に見えて悪化してるわけでは
ないんですよ。

でも、三菱は
日本の自動車メーカーですもん。
日本国内で、元気であって欲しい。

…どうして、ここまで落ち込んで
しまったんだろう。

現在の三菱自動車のラインナップ、
実は、大変なことになっています。

三菱自動車が生産しているのは、

 ・パジェロ
 ・デリカD:5
 ・アウトランダー
 ・RVR
 ・i-MiEV
 ・ミニキャブ・MiEV
 ・ミラージュ

の7車種だけ。

でも、他にも三菱のマークが
付いている車、あるんです。
あれは、どういうことかというと…

 ディグニティ    日産シーマのOEM
 プラウディア    日産フーガのOEM
 デリカD:3     日産セレナのOEM
 ランサーカーゴ   日産ADのOEM
 デリカD:2     スズキランディのOEM
 タウンボックス   スズキエブリィワゴンのOEM
 ミニキャブバン   スズキエブリィのOEM
 ミニキャブトラック スズキキャリィのOEM

OEMは、
「Original Equipment Manufacturing」
の略。簡単に言うと、他社の車に
三菱のマークをつけて、三菱の販売店で
売ってるような状況なんです。


この他に、軽自動車の
eKシリーズを作っていますが、
厳密には、日産との合弁会社
「NMKV」で、生産されています。

開発・製造は、三菱なんですが、
企画・デザインは、日産主導。
社名も、「N」が先ですね。


ということで、実にラインナップの半数以上を
他社からの供給でまかなっているような
状況なんです。


事の発端は、2000年に発生した
リコール隠し問題です。

それまでは、三菱って
トヨタ・日産・ホンダに続く、
第4位の自動車メーカーだったんです。

それが現在、国内シェア1.4%まで
激減してしまった。

リコール問題後も、魅力的な車は
開発されました。

ランエボシリーズや、コルト。

このブログにも、たまに出てくる…

eKアクティブは、リコール隠し発覚後
最初に販売された、新規開発車です。

でも、販売台数の減少は
止まらなかった。


正直なところ、もう、日本において
一般の方々向けに、三菱車を
普及させるのは、不可能なんじゃないかと
思うんです。

ここでいう、「一般の」方々は、

 大して車なんて好きじゃないけど、
 必要に迫られて乗っている

という方々。

そういう方々って、リスクを背負うことに
大きな抵抗を感じます。
リコール隠しをした三菱の車、
わざわざ、買うわけないですもん。

普通車だったら、
トヨタ・日産・ホンダ・マツダで
十分選択肢が用意されてます。

軽自動車だったら、
スズキ・ダイハツ・ホンダから
選び放題ですよ。

だから、一般の方々が買うような車は
他社のOEMでまかなって、
三菱は、三菱らしい車に
集中する、という戦略は
間違っていないと思います。

でも、ここへ来て急速に
三菱らしさも、なくなっちゃった。

おそらくは、フルモデルチェンジの
時期に合わせて、ラインナップの整理を
しているから、なんです。

次の一手を打つための準備、です。

…なんだけどやっぱり、
今の状況だけを切り取ると、
えらく寂しい状況なんですよね。

それが、4月の国内販売台数に
現れたんだと思います。


三菱は、現在アウトランダーに
搭載している、「PHEV」の技術を
広く展開していくそうです。

PHEVは、ガソリンで充電できる
電気自動車。
充電のためのエンジンが
付いています。

通常のEVよりも有用で、
そして間違いなくエコ。
将来有望な技術、なんです。


でも、PHEVの技術、1本だけだと
やっぱり生き残っていくのは
厳しいんじゃないのかなぁ…。

…と考えたときに、もう1本の
柱にするべきは、

 エボリューションモデルの展開

だと思います。


先日、ランエボⅩの生産終了が
アナウンスされて、
ファイナルエディションが、
限定販売されました。

限定1,000台、2週間で完売だそうです。

こんな時代でも、やっぱり
長年培ってきた、エボリューション
モデルの神通力は、健在であることが
証明されました。


ランエボ、もう次を開発することは
ないんだそう。

実際、ランエボの元となっていた
ギャランフォルティスは、
ランエボより前に、生産中止になってます。

エボリューションモデルは、基になる
車があってこそ、ですから。


でも逆に考えれば、その時に
販売している車種を基にして
エボリューションモデルを制作する、
というやり方は、ありなんじゃないかと
思うんですよね。

既存車種に、ランエボⅩに使っていた
エンジンと駆動系を、移植するんです。

新規開発が難しいんのなら、
既存技術の移植でも、良いじゃない。

性能は、十分すぎるくらいだし、
やり慣れてるから、信頼性も
高いでしょうし。

それで3,000台限定、みたいな
付加価値をつけて、販売する。


今だったら、ミラージュ?

…は小さすぎて、エンジンが
入らないかなぁ…。

でも、RVR・デリカD:5・アウトランダー
あたりには、余裕で乗りそうだ。

凄そうじゃないですか?
300馬力超の、デリカD:5。

速くはないだろうけど、
迫力があって、唯一無二の
走りが楽しめそうな気がします。

なにより、他じゃあこんな車
作れないですよ。


真面目だけで勝負したら、
絶対、他メーカーに飲み込まれちゃう。

真面目は、PHEVに
不真面目は、エボリューションモデルに
任せるの、どうだろうか。


エボリューションのコンポーネントを
モジュール化しておいて、
いろんな車に、移植できるようにする。

雑誌「Option」に登場する
チューナーがやってるようなことを、
メーカーでやっちゃうんです。

良いと思うんだけどなぁ…。


…まぁ、わたしが個人的に
思い描いたことだから、穴だらけの
無責任な案であることは
間違いないと思います。


でも、不真面目な要素を
持ち続けないと、生き残れない、ってのは
確かだと思うんです。

清濁併せ持つ、というヤツですね、
きっと。


ところで、わたしのFTO。

全塗装するときに、三菱のマーク
埋めちゃったんですよね。

本当は、こんな感じ。

鼻先に、付いていたんです。

別に、三菱車だと思われるのが
嫌だから、埋めたわけじゃないですよ。

外装をツルンとさせたかったから、
埋めただけです。

でもそんなツルンとした外装に、
ひとつだけ、でっかい三菱マークが
付いてるのも良いかなぁ?
…なんて、最近思っています。

そうすれば、
三菱社員に、外車扱いされること
ポルシェに間違われること
ないでしょうし、ね!

コメント

_ 山さん ― 2015年05月31日 23:54

三菱だけの、魅力ですよね。
その魅力を、更に欠いたエボリューション…
立ち直るには、斬新で仰天な発想だと思います。

_ のら2ゃんれい ― 2015年06月01日 10:32

三菱は元来、めちゃくちゃなことを
やってたメーカーでもあるような
気がするんですよね。

軽自動車用に5バルブエンジンとか、
1.6リットルのV6エンジンとか、
Dセグセダンにツインターボとか、
ディアマンテベースで、スポーツクーペとか。

めちゃくちゃなことやってた
時代の車って、なぜか今でも
支持されてるんですよね。

それって唯一無二の個性だと
思うんですが…。

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