のらみゃんとひろのそうさくこうぼう

●FF・FR・MR…の特徴2014年06月18日 15:30

FF・FR・MR・RRの特徴


昨日の車記事の続きです。
もしよかったら、お付き合いください。

駆動方式のそれぞれの特徴は
こんな感じです。
今回は、車を上から見た図を作りました。
あわせてご覧ください。


●FF
 走っている乗用車は、ほとんどが
 これだと思っていいかと思います。
 エンジンも、回るタイヤも前に集中して
 いるので、小型車でも車内のスペースが
 広くなります。また構造が簡単な分、
 コストも安く作れます。
 しかし、前輪が「車を進めながら曲げる」
 という大仕事をしている割に、後輪は、
 ただ付いて回ってるだけ、という
 アンバランスがあります。
 また、前ばかりに重量が集中します。
 そのため、生活実用上では十分でも、
 極限の動力性能を求めるような場合には
 向かない駆動方式です。


●FR
 エンジンを前に置き、後輪を回す。
 前輪は「車を曲げることに専念」して、
 後輪は「車を進めることに専念」する。
 前・後輪の役割分担がうまくバランス
 されている上、前後の重量バランスも
 最適化しやすい、まさに「素性のいい」車。
 エンジンが前にあり、前タイヤに重みが
 かかることで、しっかりハンドルが利くのも
 素性のよさのひとつ。
 ただし、エンジンの力を後ろまで
 伝える棒が、車内を縦に貫通するので、
 その分車内スペースが削られます。
 さらに、構造が複雑になる分、
 コストが高くなります。
 素性の良さから、高級セダンや
 スポーツカーに使われる駆動方式です。
 ちなみに「ドリフト」するのに、
 一番向いているのも、この駆動方式。
 素性がいいから、暴れやすい?んです。


●MR
 エンジンを後ろに置き、後輪を回す。
 前輪は「車を曲げることに専念」して、
 後輪は「車を進めることに専念」する。
 FRのいいところを踏まえつつ、
 重量物を車の中心に集めることで、
 機敏な動きに磨きがかかります。
 また、後輪に重さがかかりやすくなることで
 接地力が高まり、加速が強化されます。
 反面、居住性はかなり割を食います。
 2人乗りな上に狭い、なんてザラです。
 さらに、コストが非常に高くなります。
 これは、構造が複雑になったことによる
 コスト上昇の他に、
  「ほとんど数が期待できない
   特殊なものを作るコスト」
 が上乗せされるからでしょう。
 また、動力性能は高いですが、
 相対的に前が軽くなることで、
 ハンドルが利きづらくなったりします。
 そういった特色を、テクニックで
 カバーしたり、引き出したりしながら
 走るのが、MR車の醍醐味。
 レースのトップカテゴリである「F1カー」が
 この形式である事実が、極限性能を
 求めるなら「MR」であることの証明です。


●RR
 これは、ポルシェ911が使っている
 駆動方式です。その他、小型実用車で
 ちらほら見かけますが、一番希少な
 駆動方式だといえます。
 これ、元祖はフォルクスワーゲンの
 「ビートル」だと思っていいと思います。

 「ビートル」は、低価格の実用国民車として
 開発されましたが、FFではないんです。
 というのも、あの時代にFF車は
 作れなかったから。
 FF車の説明のところにも書きましたが、
 FF車は、「車を進めながら曲げる」という
 大仕事をします。昔の技術では、日常の
 耐久性を保ちながら、これを実現することは
 出来なかった。
 なので、後輪駆動にするしかなかったんですが、
 FRにすると、コストがかさむ。
 だから、エンジンごと後ろに持っていった。
 でも、実用的な国民車なのだとしたら、
 4人は乗れないと。だからミッドシップはNG。
 それで、エンジンを一番後ろ、トランクの中に
 入れた。で、トランクは前に移設。

 RRの成り立ちは、そんな感じです。
 だから、FF車が実用化できたことをきっかけに
 ほとんど姿を消しました。
 だってRR車、危ないんですもん。
 車体の一番後ろに重いエンジンが乗ってるから、
 カーブを曲がりながらアクセルを踏むと、
 前輪は、内側に入っていくのに、後輪は
 エンジンの重さで、ズルズル外側に膨らむ。
 で、タイヤが耐え切れなくなると、一気にスピン。
 制御不能になります。
 「ビートル」時代の車は、そんなにパワーが
 無かったことが、逆に功を奏したのでしょう。
 しかし、現代の水準では厳しい。

 でも、ポルシェ911は、一級品として
 生き残ってるんですよね。
 ポルシェ911って、実は「ビートル」を元にして
 安いスポーツカーを作ろう、という企画から
 生まれた車なんです。

 だから、ポルシェがスポーツカーメーカーとして
 地位を確立した後は、生産終了して、
 FRのスポーツカーを作るはずだった。
 でも、RRポルシェのファンがそれを許さず、
 911を作り続けなければいけなくなった。
 そこから、ポルシェの改良に次ぐ改良で、
 高性能化して、現在に至ったわけです。

 出自だって、上記のとおりですし、
 理屈だけなら、車として素性は
 最悪なはずなんです。
 でも、ポルシェ911は、あれだけの
 高性能を発揮しています。不思議です。
 物理法則を、技術でねじ伏せる。
 ねじ伏せ続けているのが、ポルシェの
 歴史なんだと思います。
 そして、ポルシェの歴史はRRの歴史と、
 ほぼ同義なのかも知れません。

 あ、ちなみに、加速とブレーキの利きは、
 RRが一番良いです。
 エンジンが一番後ろで、後輪がしっかり
 地面に押し付けられるから、加速が良い。
 ブレーキについてもそう。
 急ブレーキすると、前につんのめった
 感じになりますよね。だから、ブレーキ時は
 前輪の負担が大きくなりやすいんです。
 でも、RRは後輪にも重さが残るから
 つんのめりにくい。その分、後輪の
 ブレーキも仕事ができる。
 RRには、そんな良い所があります。


それぞれの駆動方式の特徴は
こんな感じです。

とここで。
「4WD」がないじゃないか、と。
そうでした。
なので、明日は「4WD」について
ご説明したいと思います。
よかったらまた、お付き合いくださいね。

※関連記事は、こちらから。
●FF・FR・MR…って何? へ
●FF・FR・MR…の特徴 へ
●4駆って何? へ

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://nora2yan0.asablo.jp/blog/2014/06/17/7346398/tb


のらみゃんとひろのそうさくこうぼう